品質確認試験検査 menu
既設構造物におけるコンクリート部位の強度を把握する試験です。コアを削孔し、中性化や圧縮強度を調査する微破壊試験から、リバウンドハンマーによる非破壊試験まで、対象に応じた試験でコンクリートの現状を調査します。
既設のコンクリートの圧縮強度を知りたい、調べたい時に採用されている試験方法です。コンクリート強度を求める方法として、「アムスラー圧縮強度試験」と「リバウンドハンマー試験」の二通りの方法があります。「アムスラー圧縮強度試験」は、既存のコンクリート構造物から直接コンクリート試験片を取り出し強度を求める方法で用いられ、「リバウンドハンマー試験」は既存のコンクリート面の反発により強度を求める方法として用いられています。
既存のコンクリート構造物の、強度を調べたい部分から直接、コア穿孔により供試体を抜取ります。供試体(コア)は、使用されたコンクリートの粗骨材(砂利・砕石)の最大寸法の3倍以上の直径で抜取り、長さは直径の、1倍~2倍が必要になります。1倍(径と同じ長さ)以下の資料は、採用されません。供試体(コア)に圧縮力を載荷した際の最大荷重を求め、その供試体(コア)の断面積で圧縮強度を算出します。
セメント系材料圧縮強度試験
結果報告書例
JIS A 1108「コンクリート圧縮強度試験方法」に準拠した手法で、同試験を実施したことを証明する報告書をお出ししています。同規格で報告を要する項目とされている、試験年月日、供試体番号、材齢、養生方法および養生温度、供試体の直径(mm)、最大荷重(N)、圧縮強度(N/mm2)、欠陥の有無およびその内容、供試体の破壊状況、見掛け密度(kg/mm2)、の情報を記載し、試験の実施とその試験結果を報告書として提出します。
直径20mm程度の小径コアと直径100mmのコアの圧縮強度に相関関係があることを利用し、小径コアの圧縮強度に補正係数を乗じて、構造物のコンクリート強度を推定する方法です。
調査法 | ソフトコアリング | Φ100mmコアによる方法 | 反発度法 | |
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作業性 | 適用部材 | 制約無し | 主要構造部材から採取できない | 制約無し |
断面損傷度合 | 小さい | 大きい | 無し | |
補修作業性 | 容易である | 左官による補修が必要 | 補修の必要なし | |
品質 | 精度 | Φ100mmコアと同程度 | 基準とされている試験方法であり、 最も精度が高いとされているが、 サンプル数に制限がある |
材齢、使用材料などによる影響が 大きく、ばらつきが大きい |
キャリブレーションの要否 | 必要なし | 必要なし | 必要あり | |
その他の調査項目への適用性 | 中性化測定もできる | 中性化測定もできる | なし |
コンクリートの剥落リスクと直結する、コンクリートの中性化の進行状態を測定する試験方法です。コンクリート構造物の性能が低下する原因の一つに、排気ガスなどの二酸化炭素や酸性雨などの影響を受けて、アルカリ性であるコンクリートが中性化することが挙げられます。その結果として、内部鉄筋に腐食が生じ、ひび割れの発生、かぶりの剥離・剥落、鋼材の断面欠損が発生するといった事態を招くことがあります。この事象は、コンクリートの性質に起因するものであることから、コンクリート表面からどの程度の深さまで中性化が進んでいるかを把握する必要があります。試験方法として、採取したコア表面で行う「コア表面法」、割裂面で行う「コア割裂法」、コンクリート表面をはつりとって行う「はつり法」があります。
試験方法は、スプレー容器に入れたフェノールフタレイン1%溶液を、コアとして採取したコンクリートの切断面に散布して調べます。中性化している部分は無色で、中性化していない部分は赤紫色に変色することで中性化の進行度合いが判明します。中性化の進行速度により、コンクリートの耐久性を増すように対策を講じる必要の有無を判断する材料となります。ドリル法による中性化測定方法は日本非破壊検査協会規格、NDI S 3419「ドリル削孔粉を用いたコンクリート構造物の中性化試験方法」を参考に行います。ドリルとΦ10mmのドリルのキリを使用します。1%フェノールフタレイン溶液をしみ込ませた試験紙で落下した削孔粉が試験紙の一部分に集積しないように、試験紙をゆっくり回転させます。落下した削孔粉が試験紙に触れて赤紫色に変色した時、直ちに削孔を停止します。削孔した孔にノギスを用いて孔の深さを小数点第1位まで測定し中性化深さとします。特定箇所の中性化深さを求めるため、削孔3個の平均値を算出し、小数点以下1桁に丸めて平均中性化深さとします。
コンクリートに損傷を与えず、圧縮強度の測定をおこなう試験です。リバウンドハンマーは、スイスで開発された非破壊コンクリート圧縮強度の測定試験方法で、構造物として既に出来上がっているコンクリートの強度を非破壊で調べることができます。 コストを抑えておこなうことができるため、現在、幅広く使われている試験方法で、既存のコンクリート面の反発により強度を求める簡易的な試験方法です。
リバウンドハンマーによる
非破壊検査結果を示す書類の作成見本
非破壊検査手法であり、コンクリートに損傷を与えることなく測定が可能という点が大きな利点です。また、試験時に取り扱う機器が軽量でユーザビリティに優れ、短時間に多数の測定が行える特徴を持つことから、強度分布の測定もおこなうことができます。
コンクリートにバネによる打撃を与え、返ってきた衝撃の強さを基に強度を測定する試験方法です。この方法は測定時に重力による影響を受けてしまうため、打撃角度による補正も必要となります。そのため、測定値のばらつきが発生してしまうことから対象につき複数回の測定をおこなう必要があります。
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