接着系あと施工アンカー耐力計算

本サイトの計算プログラムによる算定結果は、ご検討用としてご使用ください。
本プログラムは、参考用ツールとして提供しており、計算書に関するご質問など、
電話でのお問い合せはご遠慮いただきますよう、よろしくお願いいたします。

本計算書は、(一社)日本建築学会刊行「各種合成構造設計指針・同解説 2010年改訂版」に記載されている”4.5 接着系アンカーボルトの設計”に基づき以下に検討を実施する。

1.あと施工アンカー諸元

項 目 入力項目 単位 メッセージ
① アンカー種類 [入力項目]    
② 接着剤の形式 [入力項目]  
③ アンカーボルトの降伏を保証する設計 [入力項目]    
④ アンカーサイズ [入力項目]  
⑤ 異径筋のねじ加工サイズ [入力項目]    
⑥ 材質 [入力項目]    
⑦ アンカーボルトの先端形状 [入力項目]  
⑧ コンクリート種類 [入力項目]    
⑨ 穿孔工具 [入力項目]    
⑩ 施工の向き [入力項目]    
⑪ 穿孔径 [入力項目] [単位]mm  
⑫ 穿孔長 [入力項目] [単位]mm
⑬ コンクリート設計基準強度 [入力項目] [単位]N/mm2
⑭ へりあき : C1 [入力項目] [単位]mm
⑮ へりあき : C2 [入力項目] [単位]mm  
⑯ へりあき : C3 [入力項目] [単位]mm  
⑰ アンカーピッチ : S1 [入力項目] [単位]mm  
⑱ アンカーピッチ : S2 [入力項目] [単位]mm  
⑲ アンカーピッチ : S2 [入力項目] [単位]mm  

特記事項
1. カプセル方式(打込み型)、注入方式(カートリッジ型)の無機系は、検討に使用する指針の適用範囲外となります。
2.「接着材の種類」や主剤の成分と「穿孔工具」の組み合わせ、過大な穿孔径にする低減などは考慮していません。
3. 孔の状態は乾燥孔とし、水中や湿孔状態での施工による低減は考慮していません。

2.構造規定

コンクリート設計基準強度 18N/mm2~48N/mm2
アンカーサイズ 10mm≦X≦25mm
有効埋込み長さ le ≧ 7.0 x da (da : アンカー筋の呼び径)
アンカーピッチ S ≧ 7.5 x da かつ300 [mm] 以下
へりあき C ≧ 3.0 x da かつ主筋の内側
その他 アンカーボルトの引張降伏を保証する設計の場合 le ≧ 10 x da

3.あと施工アンカー 許容引張耐力の検討

既存コンクリート中に定着された接着系アンカーボルト1本当たりの許容引張力 pa は、下式にて算定される値のうち、小なる値とする。

複数本のアンカーボルトの場合は、最も耐力の小さいアンカーについて許容耐力を算定し、その値を本数倍して求める。

pa min(pa1, pa3)
pa1 φ1sσpasca
pa3 φ3・τa・π・da・lce

記号

pa : 接着系アンカーボルト1本当たりの許容引張耐力
pa1 : 接着系アンカーボルトの鋼材降伏により決まる場合のアンカー1本当たりの許容引張力
pa3 : 接着系アンカーボルトの付着力により決まる場合のアンカー1本当たりの許容引張力
φn : 低減係数で表1の値を用いる ( n = 1, 2, 3 )
表1-低減係数
  φ1 φ2 φ3
長期荷重用 2/3 1/3 1/3
短期荷重用 1.0 2/3 2/3

sσy : 接着系アンカーボルトの規格降伏点強度    
N/mm2
αyu : アンカーボルトの降伏を保証する設計の場合、ばらつきを考慮した規格降伏点強度に対する割増係数    
 
sσpa : 接着系アンカーボルトの引張強度 降伏を保証する場合; 上限引張力
sσpa = αyu x sσy
   
N/mm2
sca : 接着系アンカーボルトの公称断面積または有効断面積のうちの小さい値    
mm2
sca1 : 接着系アンカーボルト(異径棒鋼ねじ加工)のねじ部の有効断面積    
mm2
da : 接着系アンカーボルトの径    
mm
l : コンクリート穿孔長    
mm
le : 接着系アンカーボルトの有効埋込み長さ    
mm
l'e :
   
mm
lce : 接着系アンカーボルトの強度算定用埋込み長さ
lce = le - 2 x da
   
mm
Fc : コンクリート穿孔長の設計基準強度    
N/mm2
τbavg : τbavg = 10 x √(Fc / 21)
付着強度に対する補正係数を右記に示す


   
N/mm2
τa : へりあき及びアンカーピッチを考慮した接着系アンカーボルトの引張力に対する付着強度
τa = α1 x α2 x α3 x τbavg
   
N/mm2
αn : へりあき及びアンカーピッチによる付着強度の低減係数 (最も小さい3面まで考慮する)
αn = 0.5 x (Cn / le) + 0.5 但し、 (Cn / le) ≦ 1.0  また、 le ≦ 10 x da とする
アンカーピッチの場合は ; Cn = 1/2 x Sn とする (n = 1~3)
α1

α2

α3
       

□□ 接着系アンカー1本当たりの終局引張耐力 □□

pa1
N
kN
pa3
N
kN
終局引張耐力は、   pa = min ( pa1, pa3 )  
kN
 

■□ 接着系アンカー1本当たりの長期許容引張耐力 □■

LTpa1
N
kN
LTpa3
N
kN
長期許容引張耐力は、   LTpa = min ( LTpa1, LTpa3 )  
kN  

■■ 接着系アンカー1本当たりの短期許容引張耐力 ■■

STpa1
N
kN
STpa3
N
kN
短期許容引張耐力は、   STpa = min ( STpa1, STpa3 )  
kN  

4. あと施工アンカー 許容せん断耐力の検討について

ここでは許容せん断耐力の検討は行わないが、(一社)日本建築学会刊行「各種合成構造設計指針・同解説 2010年改訂版」には許容せん断耐力が確保できる条件が示されている。「1. あと施工アンカー設計条件」で、この確認を以下にて行う。

アンカーボルトの付着力 ≧ 鋼材の降伏により決まる許容引張力
le ≧ (sσpa x da)/(4 x τa

記号
le : 接着系アンカーボルトの有効埋込長さ
sσpa : 接着系アンカーボルトの引張強度 降伏を保証する場合; 上限引張力
da : 接着系アンカーボルトの径
τa : へりあき及びアンカーピッチを考慮した接着系アンカーボルトの引張力に対する付着強度

1. 鋼材の降伏を確保する場合、許容せん断耐力を確保するための上記式は必ず満足する

2. 鋼材の降伏を確保しない場合、上記式を満足することが算定条件となる

le : 接着系アンカーボルトの有効埋込長さ    
mm
    許容せん断耐力を確保するための埋込み長さの判定        
   
       
   
       

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